グロスPPとマットPPで色の見え方はどう変わる?違いや注意点をプロが解説
はじめに
パッケージや販促物、書籍のカバーなどに欠かせない「PP貼り加工」。印刷物の耐久性や耐水性を高めるだけでなく、見た目の印象を大きく左右する重要な表面加工です。
しかし、「PP加工をすると、印刷した元の色味と変わってしまうのでは?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、選ぶフィルム(グロスPPかマットPPか)によって光の反射具合が変わり、色の見え方に明確な違いが出ます。
本記事では、グロスPPとマットPPにおける色の見え方の違いや、加工時の変色トラブルを防ぐための注意点を紙加工のプロが分かりやすく解説します。
グロスPPとマットPPの色の見え方の違い
PP貼り加工(ポリプロピレンフィルムの熱圧着)を行うと、印刷物の表面が透明なフィルムで覆われるため、光の反射率が変化します。
これにより、同じ印刷データであっても、選んだフィルムによって仕上がりの色味が異なって見えます。
グロスPP(光沢)は「色が濃く、鮮やかに」見える
グロスPPは、表面に強いツヤと光沢感を与えるフィルムです。
- 色の見え方: 光を一定方向に反射するため、コントラストが強調され、全体的に色が濃く、鮮やかに見えます。特に黒や濃い色は、より深みが増して見えます。
- 特徴と用途: 傷や汚れに強く、写真やイラストを色鮮やかに見せたいポスター、食品パッケージ、カタログの表紙などに適しています。
マットPP(つや消し)は「色が薄く、落ち着いて」見える
マットPPは、表面の光沢を抑え、しっとりとした質感を与えるフィルムです。
- 色の見え方: フィルム表面で光が乱反射(散乱)するため、全体的に色が少し薄く、白っぽく(または、ぼやけて)見えます。コントラストが下がり、全体的に柔らかい印象になります。
- 特徴と用途: 光の反射によるギラつきがないため文字が読みやすく、上品で高級感のある仕上がりになります。化粧品のパッケージや、落ち着いた雰囲気を出したい会社案内などに最適です。
PP貼り加工における「変色」のリスクと注意点
光の反射による見え方の違いとは別に、加工時の熱や糊の成分、印刷インキとの相性によって、意図しない「変色」やトラブルが起こるリスクがあります。
発注前には以下の点に注意が必要です。
1. ブリード(昇華移染)による変色
PP貼り加工では、熱胴(約110度前後)の熱と圧力をかけてフィルムを圧着します。
この熱や接着剤の溶剤成分により、印刷インキの色素(特に紫系やピンクなどの特色)が滲み出し、変色してしまう現象(ブリード)が起こることがあります。
これを防ぐためには、耐性インキの使用が推奨されます。
2. 黄変(黄色く変色する現象)
用紙の成分や、保管しているダンボールから発生するガスがフィルムの接着剤と反応し、印刷物の周辺部が黄色く変色(黄変)するリスクがあります。
特に白地の多いデザインでは目立ちやすいため、無黄変タイプのインキを使用するなどの対策が必要です。
3. インキの乾燥不良・オンデマンド印刷の注意点
印刷面のインキが完全に乾いていない状態でPP加工を行うと、フィルムがうまく密着せず、後から剥がれてしまう原因になります。
表面が瞬時に硬化するUV/LED印刷では、インキに含まれる成分(ワックスやシリコン等)が表面に浮き出したり、硬化収縮により密着が悪くなったりすることで、フィルムの浮きを招く場合があります。
また、オンデマンド印刷の場合、トナーの油分によってフィルムが圧着しにくいため、全面ベタ塗りや四隅のベタ塗りは避けるデザイン設計をおすすめします。
イメージ違いを防ぐための対策:太陽紙技研の取り組み
「仕上がりの色が想定と違った」「加工後にトラブルが起きた」という事態を防ぐため、太陽紙技研では以下の対応を行っています。
事前校正(無料サンプル作成)の推奨
色の見え方の変化は、実際の用紙とデザインで試してみないと正確には分かりません。
太陽紙技研では、事前の色味確認や定着確認のための無料サンプル作成を推奨しています。実際の仕上がりを事前に確認できるため、安心してご発注いただけます。
手動機による高難度加工と徹底した品質管理
全自動機では対応が難しい小サイズや、細かな温度・圧力調整が必要なデリケートな印刷物も、職人の技術と手動機を活かして高品質に仕上げます。
また、加工前と加工時の2段階で全数検品を実施し、品質を担保しています。
多種多様なフィルムの提案
グロスPPやマットPPだけでなく、ベルベット、和紙ラミ、ホログラムなど、用途やデザインに合わせた最適なフィルムをご提案可能です。
納期についても、午前中のご発注で最短翌日納品(お急ぎの場合は最短半日対応)と、スピーディーな対応を心がけております。
※ロット数や工場の混雑状況によります
まとめ
グロスPPとマットPPでは、光の反射の違いにより、色の見え方が大きく変わります。
- グロスPP: 色が濃く、鮮やかに見える(光沢・ツヤ重視)
- マットPP: 色が薄く、柔らかく落ち着いて見える(高級感・つや消し)
デザインの意図に合わせて適切なフィルムを選ぶことが重要ですが、熱やインキとの相性による変色リスクも考慮しなければなりません。
イメージ通りの仕上がりを実現するためには、事前のテスト加工(サンプル確認)が最も確実です。
「自社のデザインにはどちらのPP加工が合うだろう?」「特殊な紙だけど加工できるかな?」とお悩みの方は、幅広い加工技術と豊富な実績を持つ太陽紙技研へ、ぜひお気軽にご相談ください。