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本の端や背のスジからPPフィルムが剥がれるのを防ぐには?原因と5つの対策

2026.10.5
未分類

本の端や背のスジ部分でPPフィルムが剥がれる原因

本の表紙やパッケージの背(ヒンジ部分)、または角の端部からPPフィルムが浮いたり剥がれたりする現象は、印刷・紙加工の現場で度々発生する品質トラブルです。

この「フィルムの浮き・剥がれ」は、用紙の物理的特性、印刷インキの性質、加工条件の3つの要因が絡み合って発生します。適切な原因把握と対策を行うことで、浮き・剥がれトラブルは未然に防ぐことが可能です。

1. 印刷インキの硬化不良・印刷方式による影響

印刷面のインキとPPフィルムの接着面が十分に密着していない状態で加工を行うと、剥離(ハクリ)が発生します。

  • UV/LED-UV印刷の場合: UVインキは紫外線照射により瞬時に固化する「無溶剤インキ」ですが、UV照射量が不足すると内部の重合反応が完了せず、未反応成分が残って密着不良を起こすことがあります。また、UVインキ皮膜は一般的な油性インキに比べて表面張力が低く、PPフィルムがつきにくい特性があります。
  • オンデマンド(トナー)印刷の場合: トナーに含まれる離型剤(ワックス成分)や定着オイル、トナー表面の平滑性が原因となり、フィルムの熱溶融接着層が物理的・化学的に定着しにくくなります。

2. 端や背に配置された「濃いベタ塗り」とパウダーの影響

背表紙や切り落とし位置(タチキリ部)にインキが厚く乗る「濃いベタ塗り」がある場合、インキ皮膜が紙の繊維の凹凸を塞ぎ、接着層のアンカー効果(投錨効果)が得られにくくなります。
さらに、印刷時のブロッキング防止パウダーやインキ中のワックス分が接着界面に留まることで、フィルムの密着強度が低下します。

3. 折り曲げによる紙の物理的反発(ストレス)

本を開閉したりパッケージを組み立てたりする際、折り目部分には紙の厚みに比例した強い反発力が生まれます。
特に坪量200g/㎡以上の厚紙を折る場合や、折り線に対して紙の目(流れ目)が直交している(逆目)場合、紙の反発力がフィルムの粘着強度を上回り、フィルムが引き剥がされてしまいます。


PPフィルムの剥がれ・浮きを防ぐ5つの技術対策

フィルムの剥がれを物理的・構造的に防ぐためには、印刷データ作成時から加工仕様の選定まで、各工程で適切な対策を講じることが重要です。

対策1:端や折り目にかかる「ベタ塗り」の調整

背表紙や折り目、断裁位置にかかる部分のインキ総膜厚を抑えるか、網濃度を下げるデザイン設計が効果的です。
また、印刷工程においてブロッキング防止パウダーの塗布量を最小限に抑えるか、PP加工前に脱粉処理を行うことで、接着界面の密着強度を高めることができます。

対策2:印刷物の十分な乾燥と「加工用余白(くわえ代)」の確保

油性オフセット印刷の場合はインキの完全乾燥(24時間以上推奨)を確認してから加工を行います。また、ラミネート加工機の自動給紙・搬送を安定させるため、仕上げサイズの外側(用紙端部)には加工に必要な余白(くわえ代として約10mm〜15mm以上)を確保した用紙レイアウトが必要です。

対策3:紙の目(流れ目)の設定と「スジ入れ加工」の実施

折り曲げ加工を行う製品では、折り線に対して紙の目を平行(順目)に配置することが基本です。
さらに、トムソン加工等で事前かつ適切な深さの「スジ入れ(罫線加工)」を施して紙の繊維を崩すことで、反発力を大幅に緩和し、フィルムにかかる剪断負荷を低減できます。

対策4:用途・印刷方式に合わせた専用フィルムの選定

印刷方式や後加工の目的に応じて、最適な機能を持つフィルムを選択します。

  • 折り曲げ・ベタ部用(強接着PP): トナー印刷物や濃ベタ印刷物の折り曲げ部には、粘着層を強化した「オンデマンド用強接着フィルム」や「高密着PPフィルム」を使用します。
  • パッケージ製函用(サック貼り用PP): 箱の組み立てでPPフィルム面の上に糊付け(サック貼り)を行う場合は、フィルム表面に易接着処理が施された「サック貼り用フィルム(グロス・マット)」を使用します。

対策5:事前の「本機テスト貼り(校正貼り)」の実施

本生産に入る前に、実際の印刷用紙を用いてテスト貼りを行うことが最も確実なリスク回避策です。
PPフィルムの引っ張り密着強度試験(クロスハッチテスト等)を行うとともに、特定のインキ(藍・紫系など)と接着層の反応による変色が起きないかを事前に検証できます。


太陽紙技研のPP貼り加工・サポート体制

太陽紙技研株式会社(京都)では、紙加工・パッケージ加工の技術知見に基づき、製品の用途や条件に応じた最適な加工提案を行っております。

  • 事前状態の確認と迅速な連携: ご支給いただいた印刷物に未乾燥やパウダー過多、密着不良のリスクが確認された場合は、加工前に速やかにお客様へご連絡・ご相談いたします。
  • 多様なフィルムバリエーション: 一般的なグロス・マットPPをはじめ、トナー対応強接着フィルム、サック貼り用フィルム、耐摩耗マット、PET、和紙フィルムなど、製品用途に合わせた最適な素材をご提案します。
  • 加工設計からの技術サポート: 板紙の坪量や折り構造に合わせたスジ入れ位置、紙の目の選定、面付け余白の指示など、仕様段階からのご相談に対応いたします。

過去にフィルムの浮きや剥がれトラブルでお困りになった経験のある方は、ぜひ企画・データ作成段階からご相談ください。

専門スタッフが仕様条件を精査し、美しい仕上がりと高い耐久性を兼ね備えた紙製品づくりをサポートいたします。

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