PP貼り加工に適した用紙の厚さ(斤量)とは?コート紙・マット紙・上質紙の違いと反り対策
「PP貼り加工を依頼したのに、仕上がった印刷物が反り返ってしまった…」
パッケージや販促物の制作において、このような失敗を経験したことはありませんか?
PP貼り加工(ポリプロピレンフィルムを貼って耐久性や光沢を高める表面加工)は、印刷物を美しく保護する人気の加工ですが、「用紙の厚さ(斤量)」と「用紙の種類」の組み合わせを間違えると、反り(カール)や剥離などのトラブルに繋がります。
本記事では、PP貼り加工に適した斤量の目安と、コート紙・マット紙・上質紙といった紙種ごとの注意点を分かりやすく解説します。
PP貼り加工に適した基本的な用紙の厚さ(斤量)
PP貼り加工を行う際、紙が薄すぎると熱や圧力に耐えきれず、シワやよれの原因となります。
そのため、まずは加工に耐えうる厚さ(斤量)を選ぶことが重要です。
最低ラインは「四六判110kg以上」
物理的にPP貼り加工が可能な下限の目安は、四六判110kg以上です。
これより薄い用紙は加工時の熱(約110度)やフィルムの張力に負けてしまうため推奨されません。
パッケージに用いられる厚紙(コートボール等)の場合、一般的な自動機では450g/㎡(厚み約0.6mm)までが標準的な対応範囲となります。
太陽紙技研では、自動機では困難な450g/㎡を超える極厚紙や合紙についても、手動機や特殊設定を駆使して柔軟に対応可能です。「この厚みは無理かも」と諦める前に、ぜひ一度ご相談ください。
実務上の推奨は「135kg以上」
加工自体は110kgから可能でも、製品としての仕上がりの安定性を考慮すると、一般的には135kg以上の用紙が推奨されます。
ポスターやしっかりとしたチラシ、パンフレットの表紙などでよく使われる厚さです。
しかし、「135kg以上なら絶対に安心」というわけではありません。ここで重要になるのが用紙の種類です。
用紙の種類別!PP貼り加工の注意点と反り対策
斤量の数字だけを見て判断し、紙種との組み合わせを考慮しないと、思わぬトラブルが発生します。代表的な3つの紙種について解説します。
1. コート紙:反り(カール)に要注意
コート紙は表面が平滑で、グロスPP(光沢)やマットPP(つや消し)の仕上がりが非常に美しく映えるため、よく使われる用紙です。
しかし、コート紙は上質紙やマット紙に比べて、PPフィルムを貼った際に反り(カール)が発生しやすいという弱点があります。
フィルムの収縮率と紙の収縮率の違いが影響するためです。135kgの厚さであっても、コート紙の場合は反りが目立ってしまうことがあります。
【対策】
コート紙で反りを最小限に抑えるには、180kgや220kgといった厚手の斤量を選ぶのが定石です。 さらにプロの視点を加えると、「紙の目(流れ目)」を製品の長辺に合わせるだけでも、反りの程度を大きく軽減できます。弊社では、設計段階から反りにくい「紙の目」のご提案も行っております。
2. マット紙:コート紙より反りにくいが乾燥に注意
マット紙は光沢を抑えた落ち着いた風合いの用紙です。
コート紙に比べるとPP貼り加工後の反りが発生しにくいため、135kg程度の斤量で発注したい場合は、マット紙を選ぶのも有効な選択肢です。
ただし、インキが乾きにくい性質があるため、印刷後の乾燥時間を十分に確保してからPP加工に回す必要があります。
3. 上質紙:インキの乾燥不良による剥離リスク
上質紙は表面にコーティングがされていないため、紙本来の風合いを生かせる用紙です。
上質紙は表面にコーティングがないため、インキの溶剤成分が紙内部に残りやすく、また表面の微細な凹凸や「スプレー粉(裏移り防止粉)」の影響で、フィルムとの密着力が低下しやすい特性があります。
印刷面が完全に乾いていない状態でPPフィルムを貼ると、後からフィルムが剥がれてしまう(剥離)トラブルが起きます。
UV/LED印刷であっても、表面が硬化しているだけで内部の硬化には4時間〜24時間かかることがあります。
特にUV印刷の場合でも、内部が完全に安定するまで(後重合)には時間が必要です。
気化したガスによる「気泡(ブリスター)」や剥離を防ぐため、印刷後24時間程度の乾燥時間を設けるのが最も安全です。
失敗しないための発注時のチェックポイント
PP貼り加工をスムーズに進行し、美しい仕上がりを得るために、以下のポイントを発注前に確認してください。
- 斤量と紙種のバランス:135kgのコート紙は反りやすいため、より厚い紙か別の紙種を検討する。
- 十分な余白の確保:加工機に紙を通す際、紙を8mm〜10mm程度重ねて(ダブらせて)給紙します。そのため、天地左右に8mm〜10mmの余白がないと、重ねた跡がトンボの内側に白い線として残るリスクがあります。
- 色の変化を考慮する:グロスPPは色が濃く、マットPPは色がぼやけて薄く見える傾向があります。
まとめ:迷ったら事前のサンプル作成・テスト加工を
PP貼り加工に適した用紙選びの要点は以下の通りです。
- 最低でも四六判110kg以上、推奨は135kg以上。
- コート紙は反りやすいため、135kgで発注するなら別の紙種(マット紙など)か、さらに厚手のコート紙がおすすめ。
- インキの乾燥不足は剥離の原因になるため、納期には余裕を持つ。
「この紙と斤量の組み合わせで問題ないか不安…」という場合は、専門の加工業者に相談するのが一番の近道です。
太陽紙技研では、全自動機では難しい小サイズや難易度の高い加工にも手動機を活用して柔軟に対応しています。
また、事前に10枚程度の無料サンプル作成(校正貼り)を行っており、反りの具合や色味の変化を本番前にご確認いただけます。
パッケージや販促物のPP貼り加工でお悩みの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。